膝の裏が痛い原因と対処法|ベーカー嚢腫からDVTまで受診の目安を解説
膝の裏が痛いときに考えられるベーカー嚢腫、変形性膝関節症、半膜様筋腱炎、ハムストリング付着部炎、深部静脈血栓症までの原因を整理。危険なサインと受診の目安、自宅でできる対処法までわかりやすくまとめます。
この記事の要点
膝の裏(膝窩:しっか)が痛む原因は、ベーカー嚢腫(のうしゅ)や変形性膝関節症、半膜様筋腱炎(はんまくようきんけんえん)など整形外科の疾患が中心です。ただし片足だけが急に腫れて熱を持つときは、命に関わる深部静脈血栓症(DVT)の可能性もあるため、早めの受診が必要です。この記事では痛みのタイプ別の原因、自宅での対処、受診の目安をまとめます。
目次
膝の裏の痛みは、膝の前側の痛みと比べると原因が見えづらく、不安を感じやすい症状です。正座やしゃがみ込みでつっぱる感覚、階段の昇り降りで奥のほうがズキッとする痛み、あるいは腫れやコブのような違和感まで、出方は人によって大きく違います。
多くは筋肉や関節の炎症、変形性膝関節症にともなう二次的なトラブルですが、中には血管の病気が隠れていることもあります。自己判断で様子を見続けるのではなく、「どのタイプの痛みなのか」を整理してから対処することが大切です。この記事では、40代以降の方が気になりやすい膝後ろの痛みについて、原因・セルフケア・受診の目安を順に見ていきます。
膝の裏(膝窩)はどんな場所か
膝の裏側は医学用語で「膝窩(しっか)」と呼ばれ、ひし形のくぼみになっています。ここには太ももの裏側からふくらはぎへと続く筋肉や腱、脚の血液を心臓に戻す深い静脈、そして足先へ向かう神経が集まっています。つまり、膝の裏は「筋肉・血管・神経」の交差点のような場所です。
膝の裏が痛いときにやっかいなのは、このうちどの組織に問題が起きているかで、原因も治療も大きく変わる点です。関節の袋から出た水がコブになることもあれば、筋肉の付け根が炎症を起こすこともあります。まれに静脈の中に血の塊(血栓:けっせん)ができて痛むケースもあり、一見似た症状でも危険度は別物です。
このため、膝裏の痛みを考えるときは「腫れているか」「片足だけか」「どんな動きで痛むか」という3つの手がかりをまず整理すると、原因のあたりをつけやすくなります。
膝の裏が痛い主な原因と特徴
膝の裏の痛みでよく見られる原因を、特徴がつかみやすい表にまとめました。まずは自分の症状に近いものがどれかを大まかに確認してみましょう。詳しい内容はこの後のセクションで1つずつ解説します。
| 主な疾患 | 腫れ・コブ | 痛みの出方 | 緊急度 |
|---|---|---|---|
| ベーカー嚢腫 | あり(やわらかいコブ) | 曲げるとつっぱる、違和感中心 | 低〜中 |
| 変形性膝関節症(後方症状) | 関節全体が腫れることあり | 立ち上がりや歩き始めに鈍い痛み | 中 |
| 半膜様筋腱炎 | ほぼなし | 内側膝裏、階段や屈伸でズキッ | 低 |
| ハムストリング付着部炎 | なし | 外側〜中央の筋の痛み、押すと痛い | 低 |
| 半月板損傷 | 水がたまることあり | 引っかかり、ロック、ひねり動作で悪化 | 中 |
| 深部静脈血栓症(DVT) | 片足全体がパンパンに腫れる | 安静時も痛む、熱感・赤み | 高(緊急) |
特に気をつけたいのは、片足だけが急に腫れ上がって熱を持つ場合です。これは血管の病気の可能性があり、他の膝のトラブルとは緊急度がまったく違います。この記事の後半で詳しく扱いますので、まず頭の片隅に置いておいてください。
ベーカー嚢腫(のうしゅ)|膝裏にできる水ぶくれ
膝の裏にゴムボールのような丸い膨らみがある場合、ベーカー嚢腫(のうしゅ)の可能性があります。これは、膝関節を包む袋の中の潤滑油(滑液:かつえき)が、膝裏の小さなふくろに余分にたまってコブ状になったものです。半膜様筋の腱と、ふくらはぎの腓腹筋(ひふくきん)の内側のあいだにできやすいのが特徴です。
痛み自体は強くないことが多く、初期は「何か触れる感じがする」「曲げたときにつっぱる」という違和感から始まります。ただしコブが大きくなるにつれて膝を曲げにくくなり、正座や深くしゃがむ動作がつらくなっていきます。ピンポン玉からゴルフボールくらいの大きさまで膨らむケースも珍しくありません。
背景には別の膝トラブルが隠れていることが多い
大事なポイントは、ベーカー嚢腫は「単独で出る病気」ではないということです。多くは、変形性膝関節症や半月板損傷、関節リウマチなど、関節の中で炎症が続いていることが根本にあります。炎症で滑液が増えすぎて、逃げ場として膝裏にたまるイメージです。
したがって治療は、コブそのものへのアプローチ(超音波で見ながら水を抜く、注射で炎症を抑えるなど)に加え、元になっている膝の問題を整形外科で評価してもらうことが重要になります。小さくて症状がなければ経過観察で十分です。
まれに「破裂」することがある
コブが大きくなると破裂して、中身の液体がふくらはぎに広がることがあります。すると急にふくらはぎが腫れて痛み、熱を持つことがあり、深部静脈血栓症と症状がそっくりになります。区別は超音波検査で可能ですので、急な腫れが出たら自己判断せず受診してください。
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変形性膝関節症の後方症状|軟骨のすり減りが膝裏にも出る
変形性膝関節症は、年齢や体重の影響で膝のクッションである軟骨がすり減り、骨同士がぶつかり合って炎症が起きる病気です。40代以降の膝痛では最も頻度が高く、女性にやや多いことが知られています。痛みというと膝の前や内側を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、進行すると膝の裏にも症状が出てきます。
具体的には、朝起きて最初の一歩や、椅子から立ち上がる瞬間に膝の裏が鈍く痛む、という訴えがよく見られます。これは、夜のあいだに関節内の炎症物質がたまり、動き始めに刺激されることで痛みが出るためです。しばらく歩くと少し楽になるのも特徴の1つです。
膝の裏がつっぱって伸びない
もう1つよくあるのが「膝が最後まで伸びない」感覚です。関節内に水がたまったり、軟骨のかけらが引っかかったりすると、膝裏の組織がつっぱって伸展が制限されます。これは医学用語で「伸展制限」と呼ばれ、歩きにくさや腰痛の原因にもつながります。
伸展制限は放置すると固まりやすいため、早めに整形外科を受診して、レントゲンやMRIで状態を確認することが重要です。治療は、運動療法・体重管理・ヒアルロン酸注射などの保存療法が中心で、進行度によっては手術の選択肢が検討されます。
後方変化とベーカー嚢腫はセットで現れやすい
変形性膝関節症が進むと関節の炎症で滑液が増え、その逃げ場としてベーカー嚢腫ができるケースが多くあります。つまり「膝裏のコブ+膝の前や内側の痛み」が同時にあるなら、変形性膝関節症の二次的なサインと考えて、関節全体の評価を受けるほうが安心です。
半膜様筋腱炎とハムストリング付着部炎|筋肉のつけ根の炎症
膝の裏に「スジが痛い」ような感覚がある場合、太もも裏の筋肉(ハムストリング)や、その仲間である半膜様筋(はんまくようきん)のつけ根に炎症が起きている可能性があります。コブのような腫れは出ませんが、押すとピンポイントで痛い点があるのが特徴です。
半膜様筋腱炎:膝の内側裏が痛むタイプ
半膜様筋とは、太ももの裏側にある3本のハムストリングの1つで、骨盤から膝の内側裏に向かって伸びている筋肉です。その腱が膝に付くあたりで炎症を起こすと、膝の内側裏にズキッとする痛みが出ます。階段を下りるとき、しゃがむとき、長く歩いた後に悪化しやすく、朝のこわばりを訴える方もいます。
原因は使いすぎが多く、ランニングを始めた方、久しぶりに山登りやハイキングをした方、変形性膝関節症で膝のバランスが崩れている方などで見られます。症状が軽いうちは、痛む動作を一時的に控えるだけでも落ち着くことが多い一方、放置して慢性化すると滑液包にも炎症が広がるため、2〜3週間以上続く場合は整形外科での評価が安心です。
ハムストリング付着部炎:筋全体の張りと痛み
ハムストリング付着部炎は、太もも裏の筋肉が膝の両側の骨に付くところで起こる炎症です。膝の外側裏から中央にかけての痛みが多く、筋全体が張る感覚を伴います。長時間座ったあとの立ち上がりや、ダッシュ動作、急な前屈で痛みが出やすい傾向があります。
こちらも基本は使いすぎや柔軟性の低下が原因で、太もも裏と股関節周りのストレッチが有効です。ただし、坐骨(ざこつ:お尻の骨)の付け根まで痛みが広がる場合や、痛みで階段が上がれない場合は、筋断裂や坐骨神経の刺激が関わっていることもあるため自己判断は禁物です。
そのほか考えられる原因|半月板・神経・反張膝
膝裏の痛みはここまで紹介したもの以外にも、いくつかの原因で起こります。代表的なものを3つに絞って整理します。
半月板損傷(後角損傷)
半月板は大腿骨と脛骨(けいこつ:すねの骨)のあいだにあるC字型のクッションで、膝にかかる衝撃を和らげます。この後ろ側が切れたり、すり切れたりすると、深くしゃがんだときや正座のときに膝の奥でズキッと鋭い痛みが出ます。引っかかる感じ、ときに急に膝が動かなくなる「ロッキング」も特徴です。
スポーツのひねり動作で起こるイメージが強い怪我ですが、40代以降では、日常生活の中でジワジワとすり減って痛みが出るタイプが多数を占めます。MRI検査で診断されるため、しゃがむたびの奥の痛みが続く場合は整形外科で相談しましょう。
神経由来の痛み(坐骨神経・腓骨神経)
腰の神経(坐骨神経)や、膝の外側を通る腓骨神経(ひこつしんけい)がどこかで刺激されると、痛みやしびれが膝裏に広がることがあります。腰を反らしたり前屈したりすると膝裏に違和感が出る、足先までビリビリするといった場合は、神経由来の可能性があります。
整形外科では、腰からの痛みなのか膝からの痛みなのかを切り分けて評価します。膝そのものの治療だけでは改善しないため、原因の特定が重要になるタイプの痛みです。
反張膝(はんちょうひざ)と筋のアンバランス
反張膝とは、立ったときに膝が少し後ろに反り返る姿勢のことです。立ちっぱなしの仕事や、太ももの筋力バランスが崩れている方に多く見られます。膝の裏側の組織が引っ張られ続けるため、特に「膝を伸ばしきったときに裏が痛い」という形で症状が出ます。
病気というより姿勢や筋力の問題であることが多く、太もも裏(ハムストリング)と前側(大腿四頭筋:だいたいしとうきん)のバランスをととのえる運動で軽くなるケースがよく見られます。
Red Flag|深部静脈血栓症(DVT)を疑うサイン

膝の裏の痛みで最も注意しなければいけないのが、深部静脈血栓症(DVT:ディー・ブイ・ティー)です。これは、脚の深い静脈の中に血の塊(血栓)ができて、血液の流れをふさいでしまう病気です。血栓がはがれて肺の血管に詰まると命に関わる肺塞栓症(はいそくせんしょう)を起こすため、疑ったらその日のうちに受診する必要があります。
こんな症状は今すぐ病院へ
以下のサインがそろう場合は、DVTの可能性を考えて、整形外科ではなく循環器内科・血管外科・救急外来の受診を検討してください。
- 片足だけが急にパンパンに腫れた(もう片方と比べて明らかに太い)
- 膝裏やふくらはぎに安静にしていてもズキズキする痛みがある
- 皮膚が赤紫色っぽくなり、触ると熱を持っている
- 歩くとふくらはぎが鉄のようにカチカチに張って痛む
- 息苦しさ、胸の痛み、急な動悸がある(肺塞栓の疑い、救急車を)
日本循環器学会のガイドラインでは、片足の腫れの左右差がおよそ3cm以上ある、深い静脈に沿って押すと痛いなどの項目をチェックリストにして、DVTの可能性を見積もる方法(Wells score:ウェルズ・スコア)が推奨されています。専門家でなくても、「片足だけ」「急な腫れ」「熱感」の3つがそろったら危険信号と覚えておくとよいでしょう。
こんな人はリスクが高い
DVTは誰にでも起こりえますが、特にリスクが高い状況があります。長時間の飛行機や車移動、手術後や骨折後のギプス固定、入院で長く寝ていた期間、妊娠中や出産直後、がんの治療中などが該当します。「エコノミー症候群」という言葉はこのDVTをふくめた呼び方です。
こうした状況のあとに、膝裏やふくらはぎに普段と違う痛みや腫れが出たら、迷わず医療機関に電話してください。診断は血液検査(Dダイマー)と超音波検査で比較的すぐにつきます。
ベーカー嚢腫の破裂との見分け
前述のとおり、ベーカー嚢腫が破裂した場合もふくらはぎの腫れと痛みを起こすため、見た目だけではDVTと区別できません。医療機関では超音波で血栓の有無を確認して切り分けますので、自己判断で「たぶんベーカー嚢腫が破れただけだろう」と放置せず、必ず医師に相談することが重要です。
自宅でできる対処法|急性期と慢性期で使い分け

DVTや強い腫れがない前提で、筋肉や関節の負担が原因と思われる膝裏の痛みに対しては、自宅でのケアがとても役立ちます。ポイントは「痛みが強い最初の数日」と「少し落ち着いてきた時期」で対応を切り替えることです。
ステップ1:痛みが強い数日は休ませて冷やす
急に痛み出した直後や、腫れと熱っぽさがあるときは、まず膝を休ませて冷却します。タオルに包んだ保冷剤や氷のうを、1回10〜15分、1日2〜3回を目安に膝裏に当てます。冷やしすぎは逆効果なので、感覚がなくなるほど長時間当てないようにしてください。
同時に、深くしゃがむ、正座する、長い距離を歩く、重い荷物を持つといった「痛みを誘発する動作」はいったん控えます。完全に動かさないのではなく、「痛くない範囲で普通の生活を続ける」くらいの感覚が理想です。
ステップ2:落ち着いたらストレッチと温め
3〜5日ほどで腫れや熱感が落ち着いてきたら、温めに切り替えます。湯船にゆっくり浸かる、蒸しタオルを膝裏に5分ほど当てるなどが手軽です。温めたあとにストレッチを行うと筋肉がゆるみやすくなります。
おすすめは、太もも裏(ハムストリング)とふくらはぎ(腓腹筋)のストレッチです。椅子に浅く座って片足を前に伸ばし、つま先を立てて、背筋を伸ばしたまま軽く前屈すると太もも裏が伸びます。痛みが出ない範囲で20〜30秒を1日2〜3回、毎日続けることが大切です。
ステップ3:太ももの筋力を少しずつ戻す
痛みがかなり減ってきたら、太ももの前の筋肉を鍛える簡単な運動を加えます。床やベッドに仰向けになり、片脚を伸ばしたまま10〜20cmほど上げて5秒キープ、ゆっくり下ろす動きを10回ほど。膝を曲げずに行うのがコツで、膝の前後のバランスを取り戻すのに役立ちます。
これらのセルフケアで2週間経っても改善しない、あるいは痛みが強くなる場合は、整形外科で画像検査を受けるほうが安心です。ガマン比べはせず、早めに専門家の目を通しておきましょう。
受診の目安|いつ・どの科に行くか
膝の裏が痛いとき、受診をためらう方は少なくありません。ただし、放置すると治療が長引くケースや、命に関わるケースもあります。以下の目安を参考に、迷ったら医療機関に相談してください。
今すぐ受診(救急も検討)
- 片足だけが急に腫れて熱を持ち、痛みが強い
- 息切れ、胸の痛み、動悸などがある
- 歩けないほどの激痛が急に起こった
- 膝が一定の角度で固まって動かない(ロッキング)
数日以内に整形外科へ
- 膝裏にコブのような腫れがある
- 正座やしゃがみができないほどつっぱる
- 階段の昇り降りで膝裏が毎回痛む
- 2週間セルフケアしても痛みが減らない
- 朝の動き始めの痛みが長引く
受診する科の選び方
膝の問題であれば整形外科が第一選択です。レントゲン・超音波・MRIで、関節の状態を一度に評価できます。一方、DVTを疑う症状(片足の急な腫れ・熱感)があれば、循環器内科や血管外科、夜間であれば救急外来のほうが適切です。迷うときは、まずかかりつけ医や救急相談ダイヤルに電話して指示を仰いでください。
なお、整骨院やマッサージは筋肉疲労の緩和には役立ちますが、病気の診断はできません。腫れや熱感があるケース、症状が2週間以上続くケースは、必ず医師の診察を受けるようにしましょう。
独自分析|膝裏トラブルを未然に防ぐ3つの生活習慣
膝裏の痛みの多くは、ある日突然降ってくるものではなく、日々の小さな積み重ねから出てくるものです。変形性膝関節症とベーカー嚢腫は同じ根っこから生まれるケースが多く、DVTも動かない時間の長さがリスクを押し上げます。つまり「膝を動かし、筋肉を使い、体重を管理する」という当たり前のことが、複数のリスクを同時に下げてくれます。
1. 1時間に1回は足首を動かす
長く座り続けるとふくらはぎの静脈に血がたまり、DVTのリスクが上がることがわかっています。デスクワークや長距離移動のあいだは、1時間に1回、足首を上下に20回パタパタ動かすだけでも血流が改善します。これは航空会社の機内運動でも推奨されている方法で、ふくらはぎのポンプ機能を使うイメージです。
2. 体重1kg増は膝3kgの負担と考える
体重が1kg増えると、歩くたびに膝への負担は約3kg増えます。500mlペットボトルをおよそ6本分、膝の上に乗せて歩き続けているのと同じ計算です。体重を2〜3kg落とすだけでも、変形性膝関節症による後方の違和感はぐっと減らせる可能性があります。
3. 太もも裏と前のバランスを整える
膝裏の痛みの背景には、太もも前(大腿四頭筋)が弱く、太もも裏(ハムストリング)が硬いというアンバランスが潜んでいることが多くあります。椅子からの立ち座りをゆっくり10回、ハムストリングのストレッチを毎朝30秒。これだけで、膝裏の組織にかかる引っ張りが軽くなり、反張膝の傾向も改善しやすくなります。
ポイントは「強くやる」ことではなく「毎日続ける」ことです。膝は休めすぎても弱るため、痛くない範囲で日々使ってあげる意識を持ちましょう。
よくある質問
よくある質問
Q1. 膝裏にコブはないのに、しゃがむと奥が痛みます。何が原因でしょうか?
コブがなく、しゃがみ込みや正座で奥が鋭く痛む場合、半月板の後ろ側の損傷、または膝裏の筋肉・腱の炎症が代表的な原因です。スポーツや重労働の経験があればなおさら可能性が高まります。2週間セルフケアで改善しなければ、整形外科でMRIを含めた検査を受けることをおすすめします。
Q2. 膝の裏にゴルフボールくらいのコブがあります。すぐに手術が必要ですか?
ベーカー嚢腫は、基本的にすぐ手術にはなりません。日常生活に支障がなければ経過観察、痛みや曲げにくさが強ければ超音波で水を抜いたり注射で炎症を抑えたりする治療が一般的です。ただし、背景に変形性膝関節症などの問題があるため、一度整形外科で関節全体の評価を受けておくと安心です。
Q3. ふくらはぎの奥がズーンと痛くて、片足だけ腫れぼったいです。様子を見てよいですか?
それは深部静脈血栓症の可能性があるサインです。「片足だけ」「急に腫れた」「熱感がある」「安静時も痛む」のうち1つでも当てはまるなら、様子見ではなく当日中に循環器内科または血管外科を受診してください。息切れや胸痛が加わったら救急外来へ行きましょう。
Q4. サプリメントで膝裏の痛みは良くなりますか?
グルコサミンやコンドロイチン、コラーゲンなどのサプリメントは、軟骨の健康をサポートする目的で広く利用されています。変形性膝関節症に伴う膝裏の違和感に対して、生活習慣の改善と組み合わせることで続けやすさを感じる方が多い一方、効果には個人差があり、医療行為の代わりにはなりません。症状が強い場合は、まず整形外科で原因を特定することを優先してください。
Q5. ストレッチをするとかえって痛みが強くなります。続けてよいですか?
ストレッチは「痛気持ちいい」範囲で行うのが原則です。伸ばしている最中に鋭い痛みが走る、翌日にかえって腫れるという場合は、筋肉の炎症が強い時期である可能性が高く、いったん中止して冷却に切り替えてください。2週間経っても同じ状態なら、自己流を続けず医療機関で相談しましょう。
参考文献・出典
- [1]肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症の診断、治療、予防に関するガイドライン(2017年改訂版)- 日本循環器学会
DVT・肺塞栓症の診断と治療に関するエビデンスベースのガイドライン。Wells scoreや超音波診断の位置づけを解説。
- [2]
- [3]
- [4]
膝の健康をサポートするサプリメントを探す
変形性膝関節症にともなう膝裏のつっぱりや違和感が気になる方は、毎日のセルフケアと合わせて、膝の健康をサポートするサプリメントを取り入れる選択肢もあります。グルコサミンやコンドロイチン、プロテオグリカンなど成分の特徴を比較しながら、自分に合う1本を選んでみてください。※サプリメントは医療行為の代わりではありません。強い痛みや腫れがある場合は、まず整形外科の受診を優先してください。
まとめ
膝の裏の痛みは、ベーカー嚢腫・変形性膝関節症の後方症状・半膜様筋腱炎・ハムストリング付着部炎・半月板後角の損傷など、整形外科の領域で説明がつくものがほとんどです。多くはセルフケアと整形外科での治療で改善が期待できるので、怖がりすぎる必要はありません。
一方で、片足だけが急に腫れて熱を持ち、安静時も痛むような場合は、深部静脈血栓症という命に関わる病気が隠れていることがあります。「片足だけ」「急な腫れ」「熱感」の3つがそろったら、迷わず循環器内科や救急を受診してください。
毎日の中でできる一番の予防は、こまめに足首を動かし、太ももの筋肉を使い、体重を増やしすぎないこと。膝裏の不安と上手に付き合いながら、痛みのない歩きを取り戻していきましょう。気になる症状があれば、早めに医療機関で相談することをおすすめします。
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