PRP療法
患者自身の血液から血小板を濃縮した液を関節内に注入する再生医療。成長因子で組織修復を促す。
ポイント
PRP療法とは
PRP療法(ぴーあーるぴーりょうほう、英: platelet-rich plasma、多血小板血漿療法)は、患者自身の血液を採取して遠心分離し、血小板を濃縮した液を関節内に注入する再生医療。血小板に含まれる成長因子(PDGF・VEGF・TGF-β等)が組織修復を促し、変形性膝関節症の疼痛軽減と機能改善が期待される。自家由来のため拒絶反応が起きず、副作用が少ない治療法として日本では自由診療で広く実施されている。
PRP療法の作用機序とエビデンス
血小板から放出される成長因子は炎症の調整・血管新生・コラーゲン産生・幹細胞の動員といった多面的な作用を持つ。変形性膝関節症ではヒアルロン酸注射より優れる効果を示すRCTもあり、特に若年〜中年の早期OAでの保存療法として注目される。一方で複数のメタアナリシスで効果サイズはまばらで、製剤の規格化が研究結果のばらつきを生んでいるとも指摘される。
PRP療法は日本では再生医療等安全性確保法の規制下にあり、第二種再生医療等として認可された施設のみが実施できる。費用は1回3〜10万円が相場で、3〜4週間隔で2〜3回投与するプロトコルが多い。保険適用外のため経済的負担が大きいことが課題で、健康保険適用に向けたエビデンス蓄積が国内で進められている。
関連項目・記事
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執筆者
ひざ日和編集部
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