アボカド大豆不鹸化物(ASU)
アボカド油と大豆油の不鹸化物。フランスで医薬品として使われる関節サプリ素材。
アボカド大豆不鹸化物(ASU)とは
アボカド大豆不鹸化物(ASU: Avocado-Soybean Unsaponifiables)はアボカド油1/3と大豆油2/3の不鹸化物画分を組み合わせた天然由来エキスで、フィトステロール(β-シトステロール、カンペステロール、スチグマステロール)を主成分とする。膝・股関節OAに対し300mg/日6か月の二重盲検RCTで疼痛・機能改善とNSAIDs使用量減少が報告され、フランスでは医薬品(Piasclidine)として承認されている。エビデンスレベルB(複数RCT・メタアナリシス)。OARSI 2014ガイドラインでも条件付き推奨。フランス由来のExpanscience社「Piascledine」製剤が研究の中心。
目次
アボカド大豆不鹸化物(ASU)の概要
アボカド大豆不鹸化物(ASU: Avocado-Soybean Unsaponifiables)は、アボカド果実油と大豆油から鹸化(けん化)反応で除去できない非鹸化性脂質画分を抽出し、アボカド由来1/3と大豆由来2/3の比率で配合した天然由来エキスである。1970年代にフランスのラボラトワール・エクスパンシアンス(Laboratoires Expanscience)社が変形性関節症治療素材として開発し、商品名「Piascledine 300」として欧州で医薬品登録されている。日本ではサプリメント原料として流通している。
主な機能性成分はフィトステロール(β-シトステロール、カンペステロール、スチグマステロール)、トコフェロール、脂溶性ビタミン類、スクアレン、トリテルペンアルコール(α-アミリン、β-アミリン、ブチロスペルモール)、脂肪族アルコールなどである。これらが軟骨保護・抗炎症・滑膜炎症抑制という多面的作用を発揮することで、膝・股関節OAの疼痛と機能を改善するというのが基本的な機序仮説となっている。
ASUはOARSI(国際変形性関節症学会)2014ガイドラインで膝OAに対する条件付き推奨(Conditionally recommended)に位置付けられた数少ない経口サプリメント素材である。グルコサミン、コンドロイチンが「Uncertain(不確定)」と評価される中、ASUは複数のRCTとメタアナリシスにより一定のエビデンスが認められている。フランス、ベルギー、スイスなど欧州各国の整形外科診療指針でも症候性膝・股関節OAの補助療法として位置づけられている。
関節サプリメント市場での位置付けは、グルコサミン・コンドロイチンが「メインプレイヤー」だとすれば、ASUは「エビデンスベースで選ばれる第二選択肢」である。NSAIDs常用に伴う消化管リスク・腎リスクを避けたい中等症膝OA患者、あるいはグルコサミン・コンドロイチンで効果が乏しかった患者の次の選択として注目される。Piascledineの研究データに基づく国産製品も増えつつあり、関節サプリ市場の中でエビデンス重視層からの支持を得ている。
アボカド大豆不鹸化物とは何か
「不鹸化物(ふけんかぶつ、unsaponifiables)」とは、植物油脂を強アルカリで処理する鹸化反応によって石鹸(脂肪酸塩)にならず残る成分群を指す。具体的にはステロール類、トリテルペンアルコール、脂肪族アルコール、トコフェロール、スクアレン、脂溶性色素などが含まれる。植物油の種類により不鹸化物含量は異なり、アボカド油は約2〜10%、大豆油は約0.5〜1.5%を含む。これらを工業的に分離・精製したものが「不鹸化物画分」となる。
ASUはアボカド油由来不鹸化物1部と大豆油由来不鹸化物2部の比率(1:2)で配合される複合エキスであり、単独のアボカド不鹸化物や大豆不鹸化物ではない。この比率はExpanscience社が1970年代の臨床研究で最も有効性を確認した処方に基づいている。標準化指標としては、トリテルペンアルコール(α-アミリン、β-アミリン、ブチロスペルモール)、フィトステロール(β-シトステロール、カンペステロール、スチグマステロール)、脂肪族アルコールの含量比率が定められ、Piascledine 300製剤では1日量300mgとして投与される。
サプリメント素材としての分類は、機能性表示食品の関与成分として届出可能なエビデンスはあるが、現状は一般食品として流通している。日本国内ではPiascledineそのものは医薬品未承認のため、原料エキスとして輸入されサプリメントに配合される形態が主流である。原料規格としては、フィトステロール総量、トリテルペンアルコール含量、脂肪族アルコール含量、重金属、農薬残留が管理項目となる。アボカドアレルギー、大豆アレルギーがある方は使用前に確認が必要である。
アボカド大豆不鹸化物の作用機序
ASUの作用機序は、(1)軟骨基質代謝の改善、(2)炎症性サイトカイン産生抑制、(3)軟骨基質分解酵素の阻害、(4)滑膜細胞・軟骨細胞のアポトーシス抑制、の4つの軸で説明される。in vitro軟骨細胞培養系および動物関節炎モデルでこれらの作用が一貫して再現されている点が、ASUのエビデンス基盤の強みである。
軟骨基質代謝の改善では、ASUは軟骨細胞(chondrocyte)における2型コラーゲンとアグリカンの合成促進を示す。Boumediene らの研究(Arthritis Rheum 1999)では、IL-1β刺激下のヒト軟骨細胞培養でASUがTGF-β1とTGF-β2の産生を促進し、これがコラーゲン・プロテオグリカン合成を上方制御することが示された。TGF-βシグナルの活性化は軟骨基質再生の中核経路であり、ASUはこの経路に作用する数少ないサプリメント素材である。
抗炎症作用では、ASUはIL-1β、TNF-α、IL-6、IL-8、PGE2、NOといった炎症性メディエーターの産生を抑制する。NF-κB経路、p38 MAPK経路、JNK経路の活性化を抑え、これにより軟骨基質分解酵素(MMP-3、MMP-13、ADAMTS-4、ADAMTS-5)の発現が低下する。MMP-13は2型コラーゲンを切断する主要酵素であり、ADAMTS-4/5はアグリカンを分解する酵素で、両者の活性低下は軟骨破壊の進行を抑える方向に働く。
滑膜炎症の抑制も重要な作用機序である。膝OAでは滑膜組織の軽度炎症(synovitis)が疼痛と進行に寄与することが現代のOA研究で明らかになっている。ASUは滑膜マクロファージにおけるTNF-α、IL-1β産生抑制を介して滑膜炎症を緩和する。さらに、軟骨下骨でのRANKL/OPGバランスを調整して骨吸収を抑える作用も報告され、軟骨下骨硬化を伴う進行期OAにおいても理論的妥当性がある。
近年の研究では、ASUがオートファジー(autophagy)を介した軟骨細胞保護作用を示すことも報告されている。オートファジーは細胞内タンパク質・オルガネラのリサイクル機構で、軟骨細胞の生存維持に重要である。ASUがLC3-II発現を促進し、Beclin-1経路を介してオートファジーを活性化することで軟骨細胞のアポトーシスを抑制する作用は、長期投与による軟骨保護効果の機序的根拠となる。
アボカド大豆不鹸化物の臨床エビデンス
ASUのエビデンスレベルは、複数のRCTとメタアナリシスによりB(中等度の質のエビデンス)と評価される。膝OA、股関節OAでそれぞれ独立した複数のRCTがあり、Cochraneレビューや系統的レビューも存在する。OARSI 2014ガイドラインで条件付き推奨に分類された数少ないサプリメント素材であり、グルコサミン・コンドロイチンよりエビデンスレベルが高いと評価する立場もある。
初期の代表的RCTとして、Maheu E らの試験(Arthritis Rheum 1998、n=164)が挙げられる。膝・股関節OA患者に対しPiascledine 300mg/日を6か月間投与し、Lequesne機能指数とNSAIDs使用量で有意改善を示した。投与終了後2か月の追跡で、効果が緩徐に減弱する「持ち越し効果(carry-over effect)」が観察された点が特徴的で、軟骨保護的作用を示唆するデータとして注目された。
Blotman F らのRCT(Rev Rhum Engl Ed 1997、n=164)でも、膝・股関節OAに対しASU 300mg/日3か月投与により疼痛VASとLequesne指数が改善し、NSAIDs使用量が減少した。Appelboom T らのRCT(Scand J Rheumatol 2001、n=260)では、Piascledine 300mg/日と600mg/日を比較し、両用量で有効性は同等で、300mg/日が至適用量と確認された。
長期構造改変効果(structure-modifying effect)を検証した最大規模試験はLequesne M らによるERADIAS試験(Ann Rheum Dis 2002、n=163)である。股関節OA患者に対しPiascledine 300mg/日を2年間投与し、X線上の関節腔狭小化(JSN: Joint Space Narrowing)を測定した結果、全体としてはプラセボと有意差はなかったが、進行性病変サブグループでJSN進行が遅延する傾向が示された。膝OAについても同様の研究があり、軽度から中等度OAでより明確な効果が示唆されている。
系統的レビューとして、Christensen R らのメタアナリシス(Osteoarthritis Cartilage 2008)が4試験664名のデータを統合し、ASUがLequesne指数の改善(SMD -0.39)と疼痛VAS改善(SMD -0.42)で有意な効果を示すと結論した。一方、X線上の関節腔狭小化に対する構造改変効果については、エビデンス不十分とされた。Cameron M らによるCochraneレビュー(Cochrane Database 2014)でも、ASUは膝・股関節OAの疼痛と機能改善に「low-quality evidenceで小さな効果」と評価されている。エビデンス強度は確立的と言うほど強くはないが、サプリメント素材としては類例が少なく、OARSIガイドラインで条件付き推奨に位置付けられている事実は重要である。
推奨される摂取量と継続期間
ASUの推奨摂取量は、Piascledine 300製剤を基準とすると300mg/日が標準的な臨床用量である。Appelboom試験で300mg/日と600mg/日が同等有効性を示したため、用量増量による上乗せ効果は確認されていない。1日1回300mgのカプセルを朝食後に服用するのが基本的な飲み方で、複数回分割投与の必要はない。日本国内のサプリメント製品では300mg/日相当のフィトステロール量を1日2〜3回分割で配合する設計が多い。
摂取タイミングは食後が推奨される。ASUは脂溶性成分主体のため、食事に含まれる脂肪と一緒に摂ることで吸収が安定する。空腹時単独摂取では吸収率が低下する可能性があり、夕食後など脂質を含む食事の後に服用するのが実用的である。1日2回分割で摂る場合は朝食後・夕食後の組み合わせが現実的である。
継続期間は最低3か月、できれば6か月以上が現実的な目安である。Maheu RCTは6か月、Lequesne試験は2年間、メタアナリシス対象試験の多くが3〜6か月以上の投与期間で有効性を確認している。即効性のある成分ではなく、軟骨基質代謝の改善には時間を要するため、3か月未満で効果なしと判断するのは早計である。Maheu試験で観察された「持ち越し効果」は、いったん有効性を実感した後、休薬しても2か月程度は効果が緩徐に減弱しながら持続することを示しており、継続期間の合理性を支持する。
上限量は明確な公的設定はないが、ヒト試験では600mg/日2年間の安全性が確認されている。サプリメントとしては1日600mgを大きく超える摂取は推奨できない。アボカドアレルギー、大豆アレルギーがある方は使用を控える必要がある。妊娠中・授乳中の使用は安全性データが限られるため、医師相談を推奨する。原料の品質規格として、フィトステロール含量、トリテルペンアルコール含量、農薬残留、重金属、ピーナッツ・ナッツ類との交差汚染がない製造体制が望ましい。
副作用・相互作用・禁忌
ASUは経口摂取において、Piascledine 300mg/日の長期投与で概ね忍容性が高い素材である。Maheu、Blotman、Appelboom、Lequesneらの主要RCTでは、副作用発生率はプラセボと有意差がなく、重篤有害事象も報告されていない。最も多い軽度副作用は消化器症状(軽度の悪心、胃部不快感、ときに下痢、便秘)で、空腹時摂取で頻度が増す傾向がある。脂溶性成分主体のため、食事と一緒に摂れば消化器副作用は軽減できる。
稀に報告される副作用として、げっぷ、口臭(フィトステロール特有の植物臭)、軽度の頭痛、皮膚そう痒感、皮疹がある。ピアスクレディン製剤の市販後調査でも副作用率は数%程度と低く、長期安全性プロファイルは比較的良好である。一方、長期高用量投与での肝機能・腎機能への影響については、大規模なデータが限定的で、長期使用中は半年〜1年に1回の血液検査でフォローすることが望ましい。
薬物相互作用は限定的だが、注意点はいくつかある。フィトステロールは小腸でのコレステロール吸収を競合的に阻害するため、脂溶性ビタミン(ビタミンA、D、E、K)の吸収にも影響する可能性がある。長期高用量摂取時は脂溶性ビタミンの不足に留意する。スタチン系コレステロール降下薬を服用中の場合、フィトステロールの追加摂取はLDL-Cをさらに下げる方向に働くため、極端な低LDL-Cにならないよう脂質プロファイルのフォローが望ましい。エゼチミブ(小腸コレステロール吸収阻害薬)との併用も理論的には吸収阻害が累積する。
抗凝固薬・抗血小板薬との相互作用は明確には報告されていないが、ASUに含まれるトコフェロール(ビタミンE)が高用量で抗血小板作用を示す可能性があるため、ワルファリン、エドキサバン、アスピリン、クロピドグレルなど服用中の方は念のため医師相談が望ましい。手術前は念のため2週間程度の休薬が推奨される。
禁忌・慎重投与の対象は、(1)アボカドアレルギー、(2)大豆アレルギー、(3)ラテックスアレルギー(アボカドとラテックスの交差反応がある)、(4)重度の脂質異常症で薬物治療中の方、(5)妊娠中・授乳中(安全性データ不足)、(6)16歳未満の小児(適応外)、(7)肝機能障害・腎機能障害患者、の7群である。アボカドアレルギーは比較的稀だが、口腔アレルギー症候群との関連が知られており、シラカンバ花粉症やラテックスアレルギーと交差反応を示すことがある。摂取開始後に発疹、口唇腫脹、咽頭違和感などのアレルギー症状を認めた場合は速やかに中止し医師の診察を受けるべきである。
飲み方の応用と他療法との併用
ASUは脂溶性成分主体のため、食事と一緒に摂ることで吸収が安定する。1日1回300mgを朝食後または夕食後に服用するのが標準的だが、消化器症状が出やすい方は朝食後と夕食後に分けて摂る方法もある。空腹時単独摂取では吸収率低下と消化器副作用の両方が起きやすいため避けたい。脂質を含む食事の直後が最も推奨される摂取タイミングである。
関節領域での他療法併用では、(1)NSAIDs(ロキソプロフェン、セレコキシブなど)と併用し、症状に応じてNSAIDs使用量を減らしていく「ステップダウン療法」、(2)グルコサミン・コンドロイチン・コラーゲンペプチドといった軟骨基質補給成分との併用、(3)ヒアルロン酸関節内注射との併用、(4)運動療法・減量・温熱療法といった非薬物療法との併用、の4つのパターンがある。OARSIガイドラインでも、ASUは単独療法というより、運動療法と減量を基盤とした包括的OA管理の中の一要素として位置づけられている。
軟骨基質補給系のグルコサミン・コンドロイチン・コラーゲンペプチドとの併用は理論的に補完的である。グルコサミン・コンドロイチンが軟骨基質の構成材料を補うのに対し、ASUはTGF-β1を介した軟骨細胞の合成活性を促し、IL-1β経路を抑える。両者の作用部位が異なるため、サプリメントとしての併用設計は妥当だが、個別効果の上乗せを示す高品質RCTは少なく、過度な期待は控えたい。
運動療法との組み合わせは特に推奨される。膝OAでは大腿四頭筋強化、ウォーキング、水中運動、ストレッチが標準療法であり、これらに対するアドヒアランスを高めるためにASUの疼痛改善作用が役立つ。減量も中等度膝OAでの最重要介入で、5〜10%の体重減少で疼痛と機能が大きく改善することが知られている。サプリメント単独で症状管理を完結させるのではなく、運動・減量・体重管理を中心に据え、ASUを補助的に組み合わせる構図が現実的である。
他成分との比較
ASUの位置づけは、グルコサミン・コンドロイチンに次ぐ「エビデンスベース第二選択肢」である。グルコサミンは大規模RCT(GAIT試験など)で症候性膝OAへの効果が試験全体ではプラセボと有意差なしと結論されたが、ASUはMaheu、Blotman、Appelboom、Lequesneらの複数RCTとChristensen、Cameronらのメタアナリシスで「small but significant」な効果が確認されている。OARSI 2014ガイドラインで条件付き推奨に位置付けられた点も含め、エビデンスベースで選びたい層からの支持がある。
コラーゲンペプチド・UC-IIとの比較では、作用機序が完全に異なる。コラーゲンペプチドは軟骨基質の材料を補い、UC-IIは経口免疫寛容で軟骨自己抗原認識を抑える。ASUはTGF-β1を介した軟骨細胞合成活性とIL-1β抑制という、より上流の細胞応答に作用する。エビデンス強度ではコラーゲンペプチドはRCTメタ分析で1.43倍程度、UC-IIは小規模RCT複数、ASUは複数RCT+メタアナリシスで概ね同等のレベルに位置する。
NSAIDs(ロキソプロフェン、セレコキシブ)との比較では、即効性の鎮痛はNSAIDsが圧倒的に優れるが、消化管・腎・心血管リスクが課題である。ASUはMaheu試験でNSAIDs使用量を有意に減らせることが示されており、長期OA管理での「NSAIDs倹約」の補助として理論的に妥当な位置づけである。即効性鎮痛は期待できない代わり、3〜6か月の継続で穏やかな疼痛・機能改善が見込める。
ボスウェリア、ターメリック(クルクミン)、ジンジャーといった植物由来抗炎症ハーブとの比較では、ASUの強みは「複数RCTとメタアナリシス、欧州医薬品承認」というエビデンスベースである。一方、ボスウェリアもAKBA標準化エキスで複数RCTがあり、エビデンス蓄積では拮抗する。ターメリックは小規模RCT複数で疼痛改善が報告されているが、メタアナリシス結果のばらつきが大きい。エビデンス強度を重視する立場ならASUが第一候補、抗酸化を含めた多面的作用を重視するならクルクミンやボスウェリア、というように使い分けが可能である。
アボカド大豆不鹸化物(ASU)に関するよくある質問
Q効果を実感するまでどのくらいかかりますか?
主要RCT(Maheu、Blotman試験など)では3〜6か月の継続投与で疼痛VASと機能指数の改善が報告されています。即効性のある成分ではなく、軟骨基質代謝の改善には時間を要するため、最低3か月、できれば6か月の継続を推奨します。
Qグルコサミンと併用しても良いですか?
作用機序が異なるため、理論的には補完的な併用が可能です。グルコサミンが軟骨基質の材料を補うのに対し、ASUはTGF-β1を介した軟骨細胞合成促進とIL-1β抑制を行います。ただし併用での上乗せ効果を示す高品質RCTは少なく、過度な期待は控えてください。
QNSAIDsを減らせるって本当ですか?
Maheu RCT(6か月)、Blotman RCT(3か月)でNSAIDs使用量の有意減少が報告されています。NSAIDsの消化管・腎・心血管リスクを避けたい中等症膝OA患者にとって有用な選択肢です。ただし完全なNSAIDs代替ではなく、症状に応じて組み合わせる「ステップダウン療法」の補助と位置づけてください。
Qアボカドアレルギーがあっても飲めますか?
アボカドアレルギーがある方は使用できません。さらにラテックスアレルギーや大豆アレルギーの方も交差反応の可能性があるため避けてください。シラカンバ花粉症で口腔アレルギー症状が出る方も注意が必要です。
QOARSIガイドラインでの位置づけは?
OARSI 2014ガイドラインでは、膝OAに対するASUは「条件付き推奨(Conditionally recommended)」に分類されています。グルコサミン、コンドロイチンが「Uncertain」と評価される中、ASUはエビデンスレベルで一段上位に位置づけられた数少ないサプリメント素材です。フランス、ベルギーなど欧州各国の整形外科指針でも症候性膝・股関節OAの補助療法として認められています。
アボカド大豆不鹸化物(ASU)配合サプリ
ランキングを見る参考文献
- [1]Symptomatic efficacy of avocado/soybean unsaponifiables in the treatment of osteoarthritis of the knee and hip- Maheu E et al. Arthritis Rheum 1998
膝・股関節OA患者164名でPiascledine 300mg/日6か月の二重盲検RCT。Lequesne指数改善とNSAIDs使用量減少を確認。持ち越し効果も観察。
- [2]Structural effect of avocado/soybean unsaponifiables on joint space loss in osteoarthritis of the hip- Lequesne M et al. Arthritis Rheum 2002
股関節OA患者163名でPiascledine 300mg/日2年間投与。進行性病変サブグループでJSN進行が遅延する傾向。
- [3]Symptomatic efficacy of avocado-soybean unsaponifiables (ASU) in osteoarthritis (OA) patients: a meta-analysis of randomized controlled trials- Christensen R et al. Osteoarthritis Cartilage 2008
4試験664名のメタアナリシス。Lequesne指数改善(SMD -0.39)、疼痛VAS改善(SMD -0.42)の有意効果を確認。
- [4]OARSI guidelines for the non-surgical management of knee osteoarthritis- McAlindon TE et al. Osteoarthritis Cartilage 2014
OARSI 2014ガイドライン。ASUを膝OAに対する条件付き推奨(Conditionally recommended)に分類。
- [5]Herbal therapy for treating osteoarthritis- Cameron M, Chrubasik S. Cochrane Database 2014
OAに対する植物療法の系統的レビュー。ASUは膝・股関節OAに対しlow-quality evidenceで小さな効果と評価。
- [6]
関連項目・記事
執筆者
ひざ日和編集部
編集部
膝の健康に関する情報を発信。医学的な根拠と専門家の知見をもとに、膝の痛みや不調に悩む方に役立つ情報をお届けしています。