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ビタミンK2

骨形成と血管健康に重要な脂溶性ビタミン。MK-7形態の納豆由来素材が骨密度維持に有効性を示す。

ポイント

ビタミンK2とは

ビタミンK2(メナキノン、Menaquinone)は脂溶性ビタミンで、骨形成タンパク質オステオカルシンとマトリックスGla蛋白(MGP)の活性化に必須のビタミン。膝関節の骨軟骨単位では軟骨下骨の質を支え、変形性膝関節症(膝OA)の進行抑制に関連するエビデンスがある。日本では納豆由来MK-7(メナキノン-7)が機能性表示食品の関与成分として認められ、骨密度維持エビデンスはレベルB。骨折既往のある50歳以上で日本骨粗鬆症学会が180μg/日のMK-7(メナテトレノン15mg/日相当)を推奨。ワルファリン服用中は禁忌。

目次

ビタミンK2の概要

ビタミンK2(メナキノン、Menaquinone、略称MK)は脂溶性ビタミンK群の一種で、ビタミンK1(フィロキノン、植物由来)とは構造の側鎖部分が異なる。側鎖のイソプレノイド単位の数によりMK-4、MK-7、MK-9などの亜型が存在する。ビタミンK2は腸内細菌により合成されるほか、納豆(MK-7が豊富)、チーズ(MK-9)、肉・卵(MK-4)など発酵食品・動物性食品に含まれる。日本食では納豆が突出して豊富な供給源で、1パック(40〜50g)でMK-7を300〜500μg含有する。

機能性は4つの軸で整理される。第一は骨健康で、オステオカルシン(OC)のγ-カルボキシル化を介した骨形成促進、骨密度維持、骨折予防が中心となる。第二は心血管健康で、マトリックスGla蛋白(MGP)の活性化を介した血管石灰化の抑制が報告される。第三は関節健康で、軟骨下骨の質維持と膝OA進行抑制との関連が前向きコホート研究で示唆されている。第四は止血機能で、血液凝固因子(II、VII、IX、X)のγ-カルボキシル化への寄与もある。

日本での位置づけは特に重要である。骨粗鬆症治療薬としてメナテトレノン(MK-4、商品名グラケー)が1995年から処方薬として承認されており、原発性骨粗鬆症患者の骨折予防エビデンスがある。サプリメント市場では納豆由来MK-7が「骨密度を維持する」関与成分として機能性表示食品の届出を多数受けており、骨健康サプリの主力成分の一つとなっている。

関節サプリ市場での位置づけは、軟骨直接補給系のグルコサミン・コンドロイチン・コラーゲンペプチドとは異なる「骨軟骨単位(osteochondral unit)」のサポートを担う独自ポジションである。膝OAでは関節軟骨だけでなく、軟骨下骨の硬化・微小骨折・骨髄浮腫が疼痛と進行に深く関与することが現代のOA研究で明らかになっており、ビタミンK2の役割は近年改めて注目されている。50歳以上で骨粗鬆症リスクのある膝OA患者で特にメリットが大きい。

ビタミンK2とは何か

ビタミンK2は2-メチル-1,4-ナフトキノン骨格に多イソプレノイド側鎖を持つ脂溶性ビタミンで、側鎖のイソプレノイド単位の数(n)によりMK-n(メナキノン-n)と分類される。サプリメント・医薬品で重要なのはMK-4(n=4、イソプレノイド単位4個)とMK-7(n=7)の2亜型である。MK-4は動物性食品(鶏肉、卵、牛肉)に多く、半減期が約1〜3時間と短い。MK-7は納豆など発酵食品に多く、半減期が約3日と長く、体内蓄積性が高い。

サプリメント原料としてのMK-7は、納豆菌(Bacillus subtilis natto)の発酵培養により生産される全トランス型MK-7が高品質とされる。シス・トランス異性体混合物では生体活性が低下するため、全トランス比率(>96%)が原料規格の要点である。日本国内ではNATTOPHARMA社(ノルウェー)の「MenaQ7」、JFCフード社「ナトレ」、住友化学「メナキノン-7」などが代表的原料ブランドである。MK-4は化学合成または微生物発酵で生産され、医薬品グレード(メナテトレノン)はグラケーカプセル15mg錠として処方される。

サプリメント素材としての分類は、日本では機能性表示食品の関与成分として「骨密度を維持する」「骨の健康に役立つ」という訴求で多数届出されている。原料規格としてはMK-7総量、全トランス異性体比率、シス異性体含量、不純物、重金属が管理項目となる。MK-7は熱・光・酸素に弱く、油脂溶解状態または乾燥粉末で品質保持される。腸溶性コーティング、軟カプセル封入、または錠剤コーティングが品質設計の鍵である。

ビタミンK2の作用機序

ビタミンK2の作用機序の核心は「Gla化(γ-カルボキシル化)」と呼ばれる翻訳後修飾反応である。グルタミン酸残基の側鎖をγ-カルボキシグルタミン酸(Gla)に変換することで、特定のタンパク質がカルシウムイオンを結合する能力を獲得する。この反応はビタミンK依存性カルボキシラーゼ(GGCX、EC 6.4.1.1)が触媒し、補酵素としてビタミンKがハイドロキノン型からエポキシド型へ酸化される。エポキシド型はビタミンKエポキシドレダクターゼ(VKOR)により還元され、ビタミンKサイクルが回る。ワルファリンはVKORを阻害して凝固因子のGla化を阻害する薬剤である。

骨領域でのGla化標的タンパク質の中心はオステオカルシン(OC、別名 Bone Gla protein, BGP)である。OCは骨芽細胞が産生する骨基質タンパク質で、3つのGla残基がカルシウムを結合してハイドロキシアパタイト結晶と相互作用し、骨形成と骨基質の成熟を促す。Gla化されない非活性型OC(ucOC: undercarboxylated osteocalcin)が血中で増えると骨形成不全を反映し、骨折リスクが上昇する。ビタミンK2の摂取はucOCを減らし、活性型OCを増やすことで骨形成を最適化する。

もう一つの重要なGla化標的はマトリックスGla蛋白(MGP)である。MGPは血管壁・軟骨に発現し、Gla化により異所性カルシウム沈着を抑制する。心血管領域では血管石灰化の抑制を介して動脈硬化進行抑制に関与し、関節領域では軟骨の異常石灰化(軟骨石灰化症、CPPD関節症)の抑制と関連する。ビタミンK2不足時にMGPが非活性型のままだと血管石灰化と軟骨石灰化が進みやすくなる。

膝関節の骨軟骨単位(osteochondral unit)における作用は、近年のOA研究で重要視されている。膝OAでは関節軟骨だけでなく軟骨下骨の硬化・微小骨折・骨髄浮腫が進行に関与し、軟骨下骨の質低下が軟骨破壊を加速させることが分かってきた。Misraらの前向きコホート研究では、血漿ビタミンK低値が膝・手OAの進行リスク上昇と関連することが報告された。ビタミンK2はOC・MGP活性化を介して骨軟骨単位の質を保ち、OA進行を緩やかにする可能性がある。

関節軟骨では、ビタミンK2が軟骨細胞のアポトーシス抑制とプロテオグリカン合成保持に関わるとの研究がある。Neogiらの試験では、ビタミンK不足の膝OA患者でビタミンK1補充が軟骨損傷の進行抑制に関連したことが報告された。MK-7投与による軟骨直接保護作用も in vitro で示されているが、ヒトでの大規模RCTはまだ蓄積途中である。これらの研究蓄積を踏まえ、ビタミンK2は単独の骨補強栄養素ではなく、骨軟骨単位を支えるシステミックなGla化サポーターとして位置づけるのが現代的な理解である。長期的な関節健康戦略における基礎的栄養素の一つと言える。一方で関節領域における大規模介入RCTは未蓄積であり、現時点では「示唆的」段階にとどまる点を過度に強調しないことも重要である。

ビタミンK2の臨床エビデンス

ビタミンK2のエビデンスは領域により評価が異なる。骨密度・骨折予防では複数RCTとメタアナリシスがありB(中等度の質のエビデンス)と評価される。膝OA進行抑制では前向きコホート研究レベルで示唆されておりC(観察研究レベル)と評価される。心血管領域はMGP活性化を介した観察研究レベルでの示唆がある段階である。

骨密度・骨折予防の代表的試験として、Knapen MH らのRCT(Osteoporos Int 2013、n=244)が挙げられる。閉経後女性に対しMK-7 180μg/日を3年間投与し、腰椎・大腿骨頸部の骨密度低下を有意に抑制した。Cheung AM らのECKO試験(PLoS Med 2008、n=440)でも閉経後骨減少症女性へのビタミンK1補充が臨床的骨折を有意に減少させた。日本のメナテトレノン(MK-4)15mg/日では、原発性骨粗鬆症患者の椎体骨折リスクを有意に減らすRCTが複数あり、医療用医薬品グラケーの承認根拠となっている。

系統的レビューとして、Cockayne S らのメタアナリシス(Arch Intern Med 2006)が13試験を統合し、ビタミンK2が椎体骨折リスクを60%減、非椎体骨折リスクを81%減、股関節骨折リスクを77%減と統計的に有意な予防効果を示した。Iwamoto J らの日本人データを含む系統的レビュー(Curr Drug Saf 2006)でも、メナテトレノン15mg/日の骨折予防効果と安全性が確認されている。一方、Wakahama R らの最近の大規模RCT(J Bone Miner Res 2024)はやや限定的な結果を報告しており、対象集団・併用薬・観察期間で結果がばらつく点は留意したい。

関節領域では、Misra D らの前向きコホート研究(Am J Clin Nutr 2013、参加者719名)で、血漿ビタミンK低値が膝・手OAの進行リスク上昇と関連することが報告された。Neogi T らの試験(Arthritis Rheum 2008)では、ビタミンK不足の膝OA患者でビタミンK1補充が軟骨損傷進行抑制と関連した。ビタミンK2による直接的な膝OA改善RCTは限定的で、関節領域のエビデンス強度は骨密度領域より低い。

心血管領域では、Geleijnse JM らのRotterdam研究(J Nutr 2004、n=4,807)で、MK-7など長鎖メナキノン摂取量が冠動脈疾患死亡率と全死因死亡率を有意に低下させることが報告された。Beulens JW らのオランダ前向きコホート研究(Atherosclerosis 2009、n=16,057)でも同様の結果が確認されている。MGP活性化を介した血管石灰化抑制が機序として推定されているが、介入RCTレベルでの確立はまだ途上である。総じてビタミンK2のエビデンスは骨領域で最も強く、心血管領域・関節領域で示唆的データが蓄積中、という整理が現状である。

推奨される摂取量と継続期間

ビタミンK2の推奨摂取量は、用途・形態により幅がある。日本の食事摂取基準(2020年版)ではビタミンK全体(K1+K2)の目安量として成人で150μg/日が設定されている。機能性表示食品の関与成分量としては納豆由来MK-7で1日150〜180μgが「骨密度を維持する」関与量として届出されている。Knapen RCTで使用された180μg/日が3年間で骨密度維持を示した臨床的至適用量と考えられる。

医療用医薬品メナテトレノン(MK-4)グラケーは原発性骨粗鬆症で15mg/日(5mg×3回)が推奨される。MK-4は半減期が短いため1日3回投与が必要で、MK-7のような1日1回投与の利便性はない。サプリメントでのMK-4配合は通常1日1500μg〜45mg幅の製品があるが、医薬品レベルの15mg/日相当はサプリでは扱わないのが一般的である。

摂取タイミングは食後(特に脂質を含む食事の後)が推奨される。ビタミンK2は脂溶性のため食事の脂質と一緒に小腸で吸収される。空腹時摂取では吸収率が大きく低下する。MK-7は半減期3日と長いため1日1回180〜360μgを朝食後または夕食後に摂れば十分である。MK-4は半減期1〜3時間と短いため1日3回分割が原則である。

継続期間は最低6か月、骨密度・骨折予防目的では1〜3年単位が現実的である。Knapen RCTは3年間、メナテトレノン医薬品試験は2年間、骨折予防研究は3〜5年単位の長期投与で有効性を確認している。即効性のない長期予防的サプリと位置づけ、骨密度測定(DEXA)を1〜2年に1回行いながら経過を見るのが理想的である。膝OA予防・進行抑制目的でも長期視点で考えたい。

上限量は明確には設定されていないが、ヒト試験では180μg/日3年間(MK-7)、15mg/日2年間(MK-4)の安全性が確認されている。サプリメントとしては1日360μg(MK-7)を超える摂取は推奨できない。妊娠中・授乳中はメナテトレノン医薬品の使用は推奨されないが、食事由来MK-7やサプリメント常用量では問題視されない。乳児ではビタミンK欠乏性出血症(VKDB)予防のため出生後にビタミンK1(フィトナジオン)が投与される。

副作用・相互作用・禁忌

ビタミンK2は経口摂取において、サプリメント常用量・医薬品メナテトレノン用量で概ね忍容性が高い。Knapen RCT(MK-7 180μg/日3年間)、複数のメナテトレノン15mg/日試験で重篤な副作用は報告されていない。最も多い軽度副作用は消化器症状(軽度の悪心、胃部不快感、下痢)と稀な皮疹で、いずれも軽度・自然軽快のレベルである。長期高用量摂取での肝機能・腎機能への影響も限定的で、長期安全性プロファイルは比較的良好である。

薬物相互作用で絶対禁忌はワルファリンとの併用である。ワルファリンはビタミンK拮抗薬として作用し、肝臓でのVKOR阻害を介して凝固因子(II、VII、IX、X)のGla化を抑制することで抗凝固作用を発揮する。ビタミンK2サプリ・納豆を摂取するとワルファリンの抗凝固作用が相殺され、PT-INRが目標値を下回り血栓症リスクが急上昇する。ワルファリン服用中の方は、ビタミンK2サプリ・メナテトレノン・納豆のすべてを禁止される。一方、DOAC(エドキサバン、リバーロキサバン、アピキサバン、ダビガトラン)はビタミンK拮抗薬ではないため、ビタミンK2との相互作用はない。

その他の薬物相互作用として、(1)抗生物質長期投与によるビタミンK2腸内合成低下(補充の根拠となる)、(2)胆汁酸吸着レジン(コレスチラミン、コレスチミド)による吸収阻害、(3)肝障害・閉塞性黄疸でのビタミンK吸収不全、がある。脂質吸収不全(慢性膵炎、嚢胞性線維症、短腸症候群)でもビタミンK2吸収が低下する。これら基礎疾患のある方は医師相談のもと使用すべきである。

稀な副作用として、メナテトレノン医薬品(グラケー)では肝機能異常(AST/ALT上昇)、皮疹、消化器症状、頭痛が市販後調査で報告されている。発生頻度は数%未満で軽度・自然軽快が多いが、長期使用中は半年に1回程度の血液検査でフォローすることが望ましい。

禁忌・慎重投与の対象は、(1)ワルファリン服用中(絶対禁忌)、(2)肝機能障害・閉塞性黄疸、(3)出血傾向のある疾患、(4)ビタミンK・メナテトレノン過敏症、(5)新生児(先天性出血疾患のリスクがある場合は専門医判断)、の5群である。妊娠中・授乳中の通常量サプリメント摂取は問題視されないが、医薬品レベル用量は医師相談が望ましい。手術前は通常2週間程度の休薬は不要だが、出血傾向増強が懸念される場合は医師指示に従う。摂取開始後に皮膚や眼球の黄染、暗色尿、出血傾向、発疹を認めた場合は速やかに中止し医師の診察を受けるべきである。

飲み方の応用と他療法との併用

ビタミンK2は脂溶性ビタミンのため、食事と一緒に摂取することで吸収が安定する。1日1回180〜360μg(MK-7換算)を朝食後または夕食後に服用するのが基本で、複数回分割の必要はない。半減期が3日と長いMK-7は1日1回投与で安定した血中濃度を維持できる。MK-4の場合は半減期が短いため1日3回の分割投与が推奨される。脂質を含む食事と一緒の摂取が吸収率を高める。

骨健康サポートでの併用パターンとして、(1)カルシウム・ビタミンDとの併用、(2)マグネシウム・ビタミンK2の併用、(3)骨粗鬆症治療薬(ビスホスホネート、SERM、デノスマブなど)との併用補助、の3パターンがある。カルシウム・ビタミンDは骨形成の基盤栄養素で、ビタミンK2はオステオカルシン活性化を介してこれらの効果を最適化する補完的役割を担う。骨粗鬆症で薬物治療を受けている方も、サプリメントとしてビタミンK2を併用することで骨質改善効果が期待できるが、医師相談が望ましい。

関節領域での併用パターンとして、(1)グルコサミン・コンドロイチン・コラーゲンペプチドなど軟骨基質補給系との併用、(2)カルシウム・マグネシウム・ビタミンDとの併用で骨軟骨単位の包括サポート、(3)ASU、SAMe、ボスウェリアなどエビデンスベース選択肢との併用、がある。膝OAでは軟骨だけでなく軟骨下骨の質も重要なため、骨軟骨単位を包括的に支える設計が現実的である。

運動療法との組み合わせは特に推奨される。骨密度維持には荷重運動(ウォーキング、軽いジョギング、階段昇降)と筋トレの組み合わせが有効で、ビタミンK2はこれら運動の効果を栄養面から支える。閉経後女性、50歳以上の男女で骨粗鬆症リスクが高まる年代では、運動・カルシウム・ビタミンD・ビタミンK2の包括的アプローチが膝OA予防・進行抑制と骨折予防の両方に貢献する。

他成分との比較

ビタミンK2は骨軟骨単位を支える独自のポジションを持ち、軟骨基質補給系のグルコサミン・コンドロイチン・コラーゲンペプチドや抗炎症系のASU・SAMeとは作用機序がまったく異なる。膝OAは関節軟骨だけでなく軟骨下骨の硬化・微小骨折・骨髄浮腫が進行に関与するため、骨軟骨単位アプローチは合理的である。50歳以上で骨粗鬆症リスクがある膝OA患者で特に意義が大きい。

同じ骨健康サポート成分のビタミンD3、カルシウム、マグネシウムとは補完関係にある。ビタミンDはカルシウム吸収と骨形成全般を支え、カルシウムは骨基質の主要構成材料、マグネシウムはカルシウム代謝の調整役として機能する。ビタミンK2はオステオカルシンとMGPのγ-カルボキシル化を介して、これらが骨に正しく取り込まれることを確実にする。骨健康のためにはこれら4成分の包括的充足が理想で、単独のビタミンK2よりもマルチ栄養素アプローチが現実的である。

骨粗鬆症治療薬(ビスホスホネート、SERM、デノスマブ、テリパラチドなど)と比較すると、即効性・骨折予防効果では治療薬が圧倒的に優れる。ビタミンK2は予防的・補助的位置づけで、軽度〜中等度の骨密度低下、または治療薬を使うほどではない予防的目的に向く。骨粗鬆症と診断され治療を受けている方は治療薬を主軸とし、ビタミンK2は補助として位置づけたい。

MK-4(メナテトレノン)とMK-7(納豆由来)の比較では、MK-7の方が半減期が長く(約3日)、1日1回投与で安定した血中濃度を維持できる利便性がある。一方、MK-4は半減期が短い(1〜3時間)が、医薬品グラケー15mg/日の臨床エビデンスは確立されている。サプリメントとしての利便性ではMK-7、医薬品エビデンスではMK-4という棲み分けがある。両者は生体内で相互変換しないため、別個の摂取源として扱う必要がある。

ビタミンK2に関するよくある質問

Q納豆を食べていれば十分ですか?

納豆1パック(40〜50g)でMK-7を300〜500μg含み、機能性表示食品の関与成分量(180μg)を超えます。毎日納豆を食べる習慣があるなら基本的にサプリは不要です。納豆が苦手・アレルギーがある方、ワルファリン服用中で納豆が制限される方、骨粗鬆症リスクが高い方はサプリメントが選択肢になります。

Qワルファリンを服用しています。飲んでも大丈夫ですか?

絶対禁忌です。ワルファリンはビタミンK拮抗薬で、その抗凝固作用を相殺してしまうため、ビタミンK2サプリ・納豆は摂取してはいけません。DOAC(エドキサバン、リバーロキサバン、アピキサバンなど)服用中なら問題ありません。ワルファリンから他剤への切替後は使用可能ですが、医師に確認してください。

QMK-4とMK-7はどちらを選べばよいですか?

利便性ならMK-7(半減期3日、1日1回)、医薬品エビデンス重視ならMK-4(メナテトレノン15mg/日、医療用医薬品グラケー)です。日本のサプリメント市場では納豆由来MK-7が主流で、機能性表示食品の関与成分として「骨密度を維持する」訴求で多数届出されています。

Q効果を実感するまでどのくらいかかりますか?

骨密度の変化は半年〜1年単位で評価する必要があります。膝OA進行抑制データも数年単位の前向きコホート研究によります。即効性のある成分ではなく、長期継続が前提です。骨密度測定(DEXA)を1〜2年に1回行いながら経過を見るのが理想的です。

Q50歳以下でも飲む必要がありますか?

健康な若年〜中年成人で食事バランスが良ければ、サプリは必須ではありません。納豆を食べない、食事のバラエティが少ない、屋内で過ごすことが多くビタミンD不足の懸念がある、家族歴で骨粗鬆症リスクが高い、過度のダイエット歴があるなどのリスク要因があれば、骨軟骨単位の予防的サポートとして検討する価値はあります。

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参考文献

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執筆者

ひざ日和編集部

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