膝の安静時痛
動かしていないのに膝が痛む症状。変形性膝関節症の進行や強い炎症、骨壊死、悪性腫瘍を示唆する。
ポイント
膝の安静時痛とは
膝の安静時痛(あんせいじつう、英: rest pain)は、動かしていないのに膝が痛む症状。座っている・横になっているなど膝に荷重がかかっていない状況でも痛みが続く状態で、変形性膝関節症の進行・強い滑膜炎・関節リウマチの炎症期・骨壊死・悪性腫瘍などを示唆する。安静時痛の出現は治療強化のサインとなる重要な所見である。
安静時痛の意味
安静時痛は機械的負荷ではなく、関節内圧上昇・炎症性サイトカイン・神経刺激といった「化学的・神経的因子」が主因であることが多い。変形性膝関節症が進行して安静時痛が出現するようになると、保存療法だけでは十分なコントロールが難しくなり、人工膝関節置換術(TKA)の手術適応として強く考慮される。関節リウマチや結晶性関節炎では発作的に安静時痛が出現する。
持続する安静時痛・体重減少・夜間の悪化を伴う場合は、骨腫瘍や転移性病変を含めた全身精査が必要である。膝周囲は人体で最も骨肉腫が発生しやすい部位の一つで、若年者の持続する原因不明の痛みは緊急性が高い症状である。安静時痛をNSAIDsで漫然と対症療法せず、原因の特定を優先することが予後の改善につながる。