骨髄
骨の内部にある造血組織と脂肪組織。膝周囲では骨髄浮腫が変形性膝関節症の進行や疼痛と関連する。
ポイント
骨髄とは
骨髄(こつずい、英: bone marrow)は、骨の内部の海綿質に存在する組織で、造血を担う赤色骨髄と脂肪を主体とする黄色骨髄の2種類がある。長管骨では加齢とともに赤色骨髄から黄色骨髄への変化が進む。膝関節周囲ではMRIで「骨髄浮腫」と呼ばれる信号変化がしばしば認められ、変形性膝関節症の進行や膝痛の原因と関連することがわかってきた。
骨髄浮腫と膝関節
骨髄浮腫はMRIのT2強調像やSTIR画像で高信号として観察される所見で、骨内の浮腫・微小骨折・骨壊死などを反映する。変形性膝関節症の症例では大腿骨・脛骨・膝蓋骨に骨髄浮腫が出現することがあり、その存在は痛みの強さ・変形性関節症の進行速度・人工膝関節置換術への移行リスクと有意に関連することが大規模研究で示されている。
骨髄浮腫を伴う膝痛は通常の保存療法で改善しにくいことがあり、近年は骨髄由来の幹細胞(BMAC: 骨髄濃縮液注射)を関節内・骨内に注入する再生医療が研究段階にある。また、特発性骨壊死(SONK: spontaneous osteonecrosis of the knee)は中高年女性で発症する膝の骨壊死で、骨髄浮腫がMRIの初期サインとなる。早期診断と荷重制限が予後を大きく左右する。
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執筆者
ひざ日和編集部
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