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APS療法

患者自身の血液から抗炎症成分を抽出した次世代PRP療法。変形性膝関節症の疼痛軽減を狙う。

ポイント

APS療法とは

APS療法(えいぴーえす、英: autologous protein solution、自己タンパク質溶液療法)は、患者自身の血液を専用キットで処理して抗炎症性タンパク質と成長因子を高濃度に抽出し、関節内に注入する次世代の再生医療。PRPが「全血小板を活かす」のに対し、APSは「IL-1受容体拮抗物質(IL-1Ra)など特定の抗炎症成分」を狙って濃縮する点が特徴である。1回投与で6〜12ヶ月持続する効果が報告されている。

APS療法の特徴とエビデンス

APSはZimmer Biomet社のnSTRIDE APS Kitを用いて製造するのが代表的で、約30〜40分の処理で関節内注入用の溶液を得る。IL-1受容体拮抗物質(IL-1Ra)の濃度は通常の血液中の約60倍以上に達し、変形性膝関節症の慢性炎症で重要な役割を果たすIL-1βシグナルを抑制する。海外RCTではWOMACスコアが12ヶ月持続的に改善する結果が示されている。

日本では再生医療等安全性確保法に基づき第二種再生医療として認可された施設で実施され、費用は1回約20〜30万円と高額。保険適用外のため対象は限定的だが、ヒアルロン酸注射やPRPで効果が不十分なGrade II〜IIIの変形性膝関節症で関節温存を望む症例で選択肢となる。長期効果と費用対効果に関する追加研究が進行中である。

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執筆者

ひざ日和編集部

編集部

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