関節鏡
関節内に挿入する細いカメラ。膝関節内を直接観察し、半月板損傷・軟骨損傷の診断と治療を同時に行える。
ポイント
関節鏡とは
関節鏡(かんせつきょう、英: arthroscope)は、関節内に挿入する直径4〜5mmの細いカメラ。膝関節内を直接観察できるため、半月板損傷・軟骨損傷・滑膜炎・遊離体などの診断と治療を同じ手術内で行える「診断兼治療ツール」として位置付けられる。MRIで判断が難しい病変や、保存療法が無効な慢性膝痛の精査・治療として実施される。
関節鏡視下手術の概要
関節鏡視下手術は皮膚に5〜10mmの小切開を2〜3カ所作り、関節鏡と専用器具を挿入して行う低侵襲手術。膝関節では半月板縫合・半月板部分切除・遊離体摘出・滑膜切除・軟骨損傷の処置・ACL再建・膝蓋骨亜脱臼の処置などが行われる。皮膚切開が小さいため術後の回復が早く、入院期間も2〜5日程度と短い。
関節鏡視下手術の合併症は感染・血栓症・神経損傷など稀ながら存在する。近年は変形性膝関節症に対する関節鏡視下デブリードマンは効果が限定的とされ、適応はかなり狭まっている。一方で半月板縫合術や軟骨修復、ACL再建術といった明確な構造異常への手術は標準治療として確立しており、関節鏡技術の進歩が低侵襲膝手術の発展を支えている。
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執筆者
ひざ日和編集部
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