半月板
膝関節の大腿骨と脛骨の間にあるC字型の線維軟骨。衝撃吸収と関節面の適合性向上を担う重要な組織。
ポイント
半月板とは
半月板(はんげつばん、英: meniscus)は、膝関節の大腿骨と脛骨の間に位置するC字型の線維軟骨で、内側半月板と外側半月板の2つから成る。荷重時の衝撃吸収、関節面の適合性向上、関節の安定化を担い、損傷すると変形性膝関節症の進行リスクを高めることが知られている。
半月板の構造と役割
半月板は線維軟骨でできた三日月型の組織で、外周は厚く内側は薄いウェッジ形状を持つ。膝の屈伸や回旋に伴って前後に滑動し、大腿骨と脛骨の接触圧を約3倍に分散する役割がある。血流が豊富なのは外周部のみで、内側1/3は無血管領域となるため、損傷時の自然治癒が困難な部位として知られる。
半月板損傷は膝の引っかかり感やロッキング症状を引き起こし、手術適応となる場合は関節鏡視下の縫合や部分切除が選択される。中高年では明確な外傷なく変性断裂を起こすケースも多く、画像診断のみで手術を判断するのではなく、症状と機能評価を組み合わせた総合判断が推奨される。
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執筆者
ひざ日和編集部
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