外側側副靭帯
膝関節の外側で大腿骨と腓骨を結ぶ靭帯。膝が内側に閉じる動き(内反)を制御する。MCLより損傷頻度は低い。
ポイント
外側側副靭帯とは
外側側副靭帯(がいそくそくふくじんたい、英: lateral collateral ligament、LCL)は、膝関節の外側で大腿骨外顆と腓骨頭を結ぶ細い円柱状の靭帯。膝が内側に閉じる動き(内反)を制御する役割を担う。MCL(内側側副靭帯)より損傷頻度は低いが、後外側支持機構の一部として複合損傷を起こすと膝の不安定性が長期化しやすい。
外側側副靭帯の役割と損傷
外側側副靭帯はMCLと異なり関節包と離れて独立した位置に存在し、膝の屈曲伸展に伴って腱鞘内を滑動する。腓骨頭の上端に付着するため、損傷すると腓骨神経麻痺を合併することがあり注意が必要である。受傷機転は膝の外側からの直接外力(バイク事故等)や、ジャンプ着地での内反強制が代表的だが、単独損傷は比較的まれで、後十字靭帯や後外側支持機構の損傷を伴うケースが多い。
診断は内反ストレステストとMRIで行う。完全断裂や後外側不安定性を伴う複合損傷では靭帯再建術が検討され、単純なGrade I・II損傷では装具固定と段階的リハビリで保存治療する。後外側支持機構の損傷を見落とすと靭帯再建術後の再断裂リスクが高まるため、専門医による精査が推奨される。
関連項目・記事
この用語が登場する関連記事
- 膝の徒手検査ガイド|McMurray・Lachman・Apley検査を患者目線で解説膝の整形外科で行う徒手検査(McMurray・Lachman・Apley・Drawer等)を患者目線でやさしく解説。検査の意味、感度・特異度、自己診断のリスクまで医師の手技を理解するためのガイドです。
- 脛骨高原骨折(プラトー骨折)の完全ガイド|Schatzker分類・治療・二次性OAリスクまで整形外科医が解説脛骨高原骨折(プラトー骨折)を整形外科医視点で徹底解説。Schatzker分類I〜VI、高エネルギー外傷と高齢者転倒の違い、ORIF手術と保存療法の判断、二次性変形性膝関節症のリスク、リハビリと復帰時期までを段落中心の文章で詳述します。
- 後十字靭帯(PCL)損傷詳細ガイド|ダッシュボード損傷から再建術まで完全解説後十字靭帯(PCL)損傷の原因・症状・診断・治療を徹底解説。ダッシュボード損傷の機序、ACL損傷との違い、保存療法と再建術(単束・二束)の選択基準、リハビリの進め方まで医学的根拠に基づいて整理。
- 膝関節の解剖学・構造の基礎ガイド|骨・軟骨・靭帯・半月板を整形外科医がやさしく解説膝関節の解剖学を整形外科医がやさしく解説。大腿骨・脛骨・膝蓋骨の3つの骨、関節軟骨、半月板(内側・外側)、4本の靭帯(ACL/PCL/MCL/LCL)、滑膜・関節包・滑液包・筋肉・神経・血管まで、膝の構造と機能を徹底図解。膝痛の理解と予防に役立つ基礎知識。
- 膝の超音波(エコー)検査|MRI・レントゲンとの使い分けと診断できること膝の超音波エコー検査でわかること(関節水腫、滑膜炎、半月板表層、ジャンパー膝、痛風のDouble contour sign等)と、レントゲン・MRIとの使い分けを整形外科医が解説。エコーガイド下注射、リアルタイム動的評価、被ばくなしの利点と、骨内部や深部病変の限界まで実用ガイド。
- 松山奈未が膝ACL+MCL複合靭帯損傷で手術|女性アスリートの膝ケガと復帰の道バドミントンパリ五輪銅メダリスト松山奈未選手が左膝の前十字靭帯(ACL)と内側側副靭帯(MCL)の複合損傷で手術・リハビリ中。女性アスリートに多いACL損傷の理由、ACL+MCL複合損傷の特殊性、復帰タイムラインを整形外科医監修レベルで解説します。
- W杯直前の膝ACL断裂復帰|町田浩樹が見せる前十字靭帯損傷からの戦い日本代表DF町田浩樹がACL(前十字靭帯)断裂から8か月で復帰間近、W杯北中米大会へ。同じく大怪我から復活した谷口彰悟の事例とともに、膝ACL損傷の診断・手術・リハビリ・復帰タイムラインを整形外科医監修レベルで解説します。アマチュア選手や中高年読者にも役立つ実践知識つき。
- 膝の痛みは何科?整形外科・リウマチ科など症状別の受診先早見表膝の痛みで病院を受診する際の診療科の選び方を、症状別の緊急度・整形外科の専門性・リウマチ科との使い分け・初診前の準備まで医師監修レベルで徹底解説。基本は整形外科ですが、症状によって適切な科を選ぶコツが分かります。
執筆者
ひざ日和編集部
編集部
膝の健康に関する情報を発信。医学的な根拠と専門家の知見をもとに、膝の痛みや不調に悩む方に役立つ情報をお届けしています。