内側側副靭帯
膝関節の内側で大腿骨と脛骨を結ぶ靭帯。膝が外側に開く動き(外反)を制御し、サッカー・柔道で受傷しやすい。
ポイント
内側側副靭帯とは
内側側副靭帯(ないそくそくふくじんたい、英: medial collateral ligament、MCL)は、膝関節の内側で大腿骨内顆と脛骨内側を結ぶ靭帯。膝が外側に開く動き(外反)を制御する役割を担い、サッカーや柔道、ラグビーなどで受傷しやすい。膝靭帯損傷の中で最も頻度が高く、不完全損傷であれば保存療法での治癒が期待できる。
内側側副靭帯の役割と損傷
内側側副靭帯は表層と深層の2層構造を持ち、表層は約10cmと長く強靭で、深層は内側半月板と一部連続している。このため、強い外反力で内側側副靭帯が損傷すると、内側半月板や前十字靭帯も同時に損傷する「不幸の三徴(ターミナル・トリアド)」と呼ばれる組み合わせが起きやすい。受傷機転はラテラルからの直接外力やカッティング動作での膝崩れが代表的である。
診断は外反ストレステストとMRIが中心で、損傷の程度はGrade I〜IIIに分類される。Grade I・IIは保存療法で4〜8週の装具固定とリハビリで治癒することが多く、Grade IIIの完全断裂でも単独損傷であれば保存療法で対応できるケースがある。ただし合併損傷がある場合や慢性的な不安定性が残る場合は再建術が検討される。
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執筆者
ひざ日和編集部
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