KL分類
変形性膝関節症の重症度を5段階で評価するX線分類。骨棘と関節裂隙狭小化の程度から進行度を判定する。
ポイント
KL分類とは
KL分類(Kellgren-Lawrence分類)は、変形性膝関節症の重症度をX線所見から5段階(Grade 0〜IV)で評価する国際標準の分類法。1957年にKellgrenとLawrenceが提唱し、世界の臨床研究で長年使われてきた。骨棘の有無・関節裂隙の狭小化・軟骨下骨の硬化を組み合わせて判定し、Grade III以上が一般に「進行期」とされる。
KL分類の基準
Grade 0は変化なし、Grade I(疑い)は軽微な骨棘形成、Grade II(軽度)は明らかな骨棘で関節裂隙はほぼ正常、Grade III(中等度)は明らかな関節裂隙の狭小化と軟骨下骨硬化、Grade IV(高度)は著明な関節裂隙狭小化と骨変形を示す。Grade IIIで生活動作の制限が出始め、Grade IVでは人工膝関節置換術(TKA)が選択肢となることが多い。
KL分類は簡便で再現性が高い反面、軟骨や半月板といった軟部組織の変化を反映しないため、症状とX線所見が乖離するケースがある(特に若年〜中年)。MRI由来の評価法(WORMS、MOAKS等)との併用で詳細評価が可能だが、日常臨床ではKL分類が最も広く使われている。立位荷重での撮影が必須で、仰臥位撮影では関節裂隙が広く見えてGrade判定が誤ることがあるため注意する。
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執筆者
ひざ日和編集部
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