物理療法
温熱・電気・光・機械的刺激といった物理的エネルギーを用いる治療の総称。膝痛の保存療法で広く用いられる。
ポイント
物理療法とは
物理療法(ぶつりりょうほう、英: physical therapy modalities)は、温熱・寒冷・電気・光・超音波・機械的刺激といった物理的エネルギーを用いる治療の総称。膝痛のリハビリテーションでは温熱療法・低周波電気刺激・経皮的電気神経刺激(TENS)・干渉波治療・極超短波・体外衝撃波などが使い分けられる。運動療法と組み合わせて慢性膝痛の管理に幅広く活用される。
主要な物理療法とエビデンス
低周波電気刺激は筋収縮を電気的に誘発して大腿四頭筋の強化を補助する治療で、術後早期や疼痛で運動が困難な時期に有用。TENSは疼痛シグナルを末梢神経で減弱させる仕組みで、変形性膝関節症の慢性痛緩和に短期効果が報告されている。体外衝撃波療法(ESWT)は膝蓋腱炎などの腱症で組織修復を促す効果が示され、ガイドラインでも条件付きで推奨される。
物理療法は単独で根本治療となることは少なく、運動療法と組み合わせて初めて意味を持つ「補助療法」と位置付けるのが現代的な考え方である。エビデンスレベルは個別治療によって幅があり、患者の症状・治療期間・費用対効果を踏まえた個別化が重要となる。保険診療内で実施できるためアクセスは良いが、漫然と長期継続するのは避け、定期的に効果評価を行う運用が望ましい。
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執筆者
ひざ日和編集部
編集部
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