温熱療法
ホットパックや超短波で膝周囲を温め、血流促進と筋緊張緩和を狙う物理療法。慢性期の膝痛管理に用いられる。
ポイント
温熱療法とは
温熱療法(おんねつりょうほう、英: thermotherapy)は、ホットパック・超短波・極超短波・温泉浴などで膝周囲を温め、血流促進・筋緊張緩和・組織伸展性向上を狙う物理療法。慢性期の変形性膝関節症や筋性疼痛の管理に用いられ、運動療法の前段階で組織を温めて運動効果を高める「ウォームアップ」としても使われる。
温熱療法の使い方とエビデンス
表在性温熱(ホットパック・温罨法)は皮膚から1〜3cm程度の浅い組織を温め、深部温熱(超短波・極超短波・超音波)は5〜8cmの深部まで加温する。慢性期の膝痛では1日20〜30分・週数回の温熱療法が筋の柔軟性改善と痛みの軽減に寄与する。冬の冷えで悪化する膝痛では、ホットパックや入浴の組み合わせが特に有効である。
急性期の腫脹がある場合(受傷後48時間以内・関節液貯留・熱感ある滑膜炎)は温熱療法は逆効果で、冷却療法(クライオセラピー)が優先される。皮膚感覚障害・血行障害・化膿性関節炎の疑いがある場合は熱傷リスクを考慮して使用を控える。エビデンスは限定的だが副作用が少なく安全性が高いため、運動療法の補助として広く活用される。
関連項目・記事
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執筆者
ひざ日和編集部
編集部
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