関節血腫
膝関節内に出血が貯留した状態。外傷後・ACL断裂・抗凝固薬使用などで発生し、急速な腫脹と強い痛みを特徴とする。
ポイント
関節血腫とは
関節血腫(かんせつけっしゅ、英: hemarthrosis)は、膝関節内に出血が貯留した状態。外傷後(特にACL断裂)・抗凝固薬使用例・血友病・色素性絨毛結節性滑膜炎などで発生する。受傷後数時間以内の急速な腫脹と強い痛みが特徴で、関節液検査で血性の関節液が確認される。原因の鑑別と早期治療が予後を大きく左右する。
関節血腫の鑑別と治療
外傷後の急性関節血腫の最多原因はACL断裂で、約75%を占めるとされる。次いで膝蓋骨脱臼・半月板辺縁部断裂・関節内骨折が続く。関節液検査で血性関節液を確認し、脂肪滴の有無で関節内骨折を鑑別する(脂肪滴があれば骨髄からの出血を示唆)。MRIで原因病変を特定して治療方針を決定する。
抗凝固薬(ワーファリン・DOAC)使用例では軽い外傷でも関節血腫が起きやすく、薬剤量の調整や凝固機能評価が必要である。血友病患者の関節血腫は反復すると関節破壊が進行するため、凝固因子製剤による予防投与が重要となる。治療は原因疾患の対処が中心で、関節穿刺による血液吸引は感染リスクと再貯留の懸念から慎重に判断する。早期の整形外科受診が二次的な関節損傷を防ぐ鍵である。
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執筆者
ひざ日和編集部
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