TKA(人工膝関節全置換術)
変形性膝関節症の終末期に行う代表的な手術。膝関節全体を金属とポリエチレンの人工関節に置き換える。
ポイント
TKAとは
TKA(てぃーけーえー、英: total knee arthroplasty、人工膝関節全置換術)は、変形性膝関節症の終末期や関節リウマチの膝破壊例に対して、膝関節全体を金属合金とポリエチレン製の人工関節に置き換える代表的な手術。痛みの軽減と歩行能力の改善が高率で得られ、世界で年間100万件以上行われる成熟した治療法である。インプラントの耐用年数は20年以上と報告される。
TKAの適応と術後経過
TKAの主な適応はKL分類Grade III〜IVの変形性膝関節症で、保存療法(薬物療法・運動療法・ヒアルロン酸注射等)で疼痛コントロールが困難な症例。術前の精密検査で骨配列・大腿脛骨角・既存の手術歴を確認し、最適なインプラントを選択する。手術時間は1〜2時間、入院期間は2〜3週間が標準的だが、近年は早期離床プログラムで1週間以内の退院も増えている。
術後の正座・しゃがみ込みは制限されるが、平地歩行・階段昇降・自転車・ウォーキング・ゴルフ・水泳といった活動は可能。コンタクトスポーツやランニングはインプラント摩耗のリスクから推奨されない。深部静脈血栓症・感染・人工関節周囲骨折といった合併症のリスクは1〜3%程度で、近年は手術技術と感染対策の進歩で低下傾向にある。
関連項目・記事
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執筆者
ひざ日和編集部
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