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📑目次

  1. 01ACL再建術と移植腱の役割
  2. 02BPTB と STG の比較
  3. 03移植腱の選び方
  4. 04ACL移植腱のよくある質問
  5. 05参考文献
ACL再建術の移植腱選び|BPTB vs STG(半腱様筋)の違いと選択基準

ACL再建術の移植腱選び|BPTB vs STG(半腱様筋)の違いと選択基準

ACL(前十字靭帯)再建術の移植腱はBPTB(骨-膝蓋腱-骨)とSTG(半腱様筋腱)が二大選択肢。それぞれの強度・固定・術後リハビリ・合併症の違い、患者の年齢・スポーツ・体型による選び方を整形外科視点で詳しく解説。

ポイント

ACL再建移植腱選択のポイント

ACL再建術ではBPTB(骨-膝蓋腱-骨、Bone-Patellar Tendon-Bone)とSTG(半腱様筋腱・薄筋腱、Semitendinosus/Gracilis)の2大選択肢があります。BPTBは骨-骨接合で強固な固定とコンタクトスポーツ復帰に有利だが膝前面痛のリスク。STGは採取後の影響が少なく回復が早いが固定強度がやや劣る。コンタクトスポーツ・若年男性アスリートにはBPTB、女性・しゃがみ込みが多い職業・トライアスロン等にはSTGが選ばれる傾向です。

📑目次▾
  1. 01ACL再建術と移植腱の役割
  2. 02BPTB と STG の比較
  3. 03移植腱の選び方
  4. 04ACL移植腱のよくある質問
  5. 05参考文献

ACL再建術と移植腱の役割

ACL(前十字靭帯)は膝関節の中央で大腿骨と脛骨をつなぐ重要な靭帯で、断裂すると膝の不安定性(giving way)が出現します。スポーツ復帰や日常生活機能の確保のため、若年〜中年では再建術(ACL Reconstruction、ACLR)が標準治療。手術では患者自身の他の腱(自家腱)または同種腱(亡くなったドナーから提供された腱)を採取し、断裂した ACL の代わりとして膝関節内に通します。

移植腱の選択は ACL 再建術の成績を大きく左右する重要な意思決定です。日本では自家腱の使用が圧倒的多数で、BPTB(骨-膝蓋腱-骨)と STG(半腱様筋腱±薄筋腱)が二大選択肢。両者には固定強度・採取部の影響・術後リハビリ・合併症の違いがあり、患者の年齢・性別・スポーツ・職業・体型に応じた選択が必要です。

BPTB と STG の比較

BPTB(Bone-Patellar Tendon-Bone):膝蓋骨と脛骨粗面の骨片をつけた状態で膝蓋腱中央 1/3 を採取(10mm幅)。骨-骨接合で固定強度最強、骨癒合により永続的固定が得られます。コンタクトスポーツ復帰例(ラグビー・アメフト・サッカー DF など)で長らく標準。欠点:採取部の膝前面痛(10〜30%)、しゃがみ込み・正座困難、膝蓋骨骨折の稀リスク、膝蓋骨高位による膝蓋大腿関節症の懸念。

STG(Semitendinosus/Gracilis tendon):太もも内側の半腱様筋腱と薄筋腱を採取し、4 重折りにして 1 本の腱として再建。採取が容易で、採取部の膝前面痛がなく、しゃがみ込みも問題なし。欠点:腱-骨接合のため固定が骨-骨より時間かかる(骨化に 6 ヶ月)、ハムストリング筋力がわずかに低下(10〜15%)、稀に同部位の腱再生不全。

その他の選択肢:QT(大腿四頭筋腱)は近年注目され、両者の中間的特徴で女性スポーツ選手・改訂手術で使用例が増加。同種腱(アロ)は採取部の侵襲ゼロだが、感染リスク・コスト高で限定的。

移植腱の選び方

BPTBが推奨されるケース:(1) コンタクトスポーツ復帰(ラグビー・アメフト・サッカー DF・格闘技)、(2) 若年男性アスリート(20 代)、(3) 高校・大学スポーツ選手で奨学金がかかっている、(4) 過去の同腱再採取例(2 度目以降)、(5) 不安定性が強くピボットシフトが顕著、(6) ハムストリングの筋力を温存したい職業・スポーツ。BPTB は世界の研究で再断裂率がやや低い傾向で、コンタクトスポーツ復帰例での信頼性が高い選択肢です。

STGが推奨されるケース:(1) 女性アスリート(膝前面痛のリスクをより避けたい)、(2) しゃがみ込み・正座が必要な職業(医療・介護・茶道)、(3) トライアスロン・水泳・自転車競技、(4) 膝蓋大腿関節症や膝蓋骨高位の既往、(5) 軽度の不安定性で復帰スポーツが非コンタクト、(6) 早期スポーツ復帰を最優先(採取部痛が少ないため)。日本ではSTGが現在最も多く選ばれる傾向。

共通の判断要素:(1) 主治医の経験症例数(手技の熟練度)、(2) リハビリの質と継続性、(3) 患者の希望・職業ライフ、(4) 既往(前回手術・スポーツ歴)。最終的には主治医と患者の十分な対話で決まります。

ACL移植腱のよくある質問

Q再建後も再断裂する?

全体で約 5〜10%。コンタクトスポーツ復帰で増加。BPTBの方がやや低いという報告ありますが、リハビリの質が再断裂の主因。

Q両足から採取できる?

BPTBは反対側からの採取も可能。STGも反対側または対側のSTGを使う選択肢あり。

Qスポーツ復帰までの期間は?

BPTB・STGとも9〜12ヶ月が標準。BPTBはやや早く(8〜9ヶ月)復帰可能との報告も。

Qハムストリング採取で筋力低下は?

STG採取後10〜15%の筋力低下が報告されます。リハビリで多くは回復しますが、完全な対称性は得られないこともあります。

QBPTBで採取後の膝前面痛は?

発生率10〜30%。リハビリで軽減することが多いですが、長期的に残ることも。膝蓋大腿関節への負担が大きい職業・スポーツでは避ける選択肢も。

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参考文献

  • [1]
    日本整形外科学会- 日本整形外科学会

    国内ガイドライン

  • [2]
    ACL reconstruction graft choice- PubMed

    医学文献

  • [3]
    AAOS ACL Clinical Guideline- AAOS

    米国整形外科学会

  • [4]
    Cochrane: ACL graft- Cochrane

    システマティックレビュー

  • [5]
    AOSSM Sports Medicine- AOSSM

    米国スポーツ医学会

  • [6]
    健康食品の安全性・有効性情報- 国立健康・栄養研究所

    公的情報

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公開日: 2026年5月3日最終更新: 2026年5月3日

執筆者

ひざ日和編集部

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